ブログ:エアロームの参画日記/写真撮影by堀木、制作by吉田

エアロームの参画日記

男女共同参画をテーマにしたブログ。会員が持ち回りで日々感じたことを書いています。
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ジェンダーを心理学で考えるの巻 
ジェンダーを心理学で考えるの巻 その3
「男性性が高いとどうなるの?」びっくり

とてもご無沙汰に投稿します。かなり前のことになりますが、前回は、女性らしさとして一般に認識されている性格特性について、共感性の高さがひとつの特徴であるといわれている話をしました。
今回は、その女性性のひとつのイメージである共感性ニコニコを取り上げて、男性性との比較をしてみたいと思います。

この共感性が高すぎると依存状態につながり易く、自他の境界が曖昧でアイデンティティーの低い状態に陥る可能性が高いと言えるでしょう。私が行った心理学調査では、ジェンダータイプ(前に紹介した男性性と女性性の高さを調べて4タイプに分ける心理学尺度)で見てみると、女性は男性に比べると全体的に数値が低く、女性は男性に比べ自己同一性が低いという解釈が出来ます。でも、自己が突出していない分、心理的に他者との共有の閾値に幅があり共感することが容易であるともとれます。一方で、この共感性が高いというイメージは男性性には見られません。そこで、共感性が低い男性性という性格特性が高いために、それがマイナスに作用する可能性についてお話をしたいと思います。

一般的に自殺率は男性の方が高いと言われています。しかし、過疎化の進む地方都市では、全国平均より自殺率が高く、男女の差が無い都市もあるそうです。また、自殺完遂率は男性が多いが、未遂になると男女差は無く、男性の傷跡には迷い傷が見られないことが多いため、思いっきりの良さや筋力の違いによって致死率に差があることを指摘した人もいました。

未だ男女の成育環境には違いがあり、女性は成長の過程で外界から女性であることに対して心理的にも肉体的な変化からもマイナスのイメージを突きつけられがちです。一方の男性は、家父長制度のなごりや権威ある職業=男性の仕事というイメージが未だ蔓延していることなどから、男性であることを誇らしく思えるような扱いを受ける体験が多そうです。このことから、女性は自分自身に対する葛藤を経験することが多く、男性は自尊感情を維持したまま大人になることが多いと言えるのではないでしょうか。

そこで、私は自殺率の男女差について、この自己概念に基付いた自己受容のプロセスに関わる性差がひとつの要因ではないかと考えました。自己のイメージに対して思春期ごろから思い悩むことの多い女性は、自分の性を通して「生きる」ということについても葛藤を多く経験すると言えます。また、女性は友人関係においても、他者との親密な付き合いを通じて深い自己開示をする傾向にあることから他者との共感性も備えていくのでしょう。一方の男性は、幼い頃から自尊心を保ちながら生育できる環境にあります。また、友人関係においては他者に依存することなく、同性と深い自己開示をしあうような親密な付き合いは避け、対立するライバルではあっても、相互に支えあう関係を築くことはあまりない傾向にあります。このことについては、夫婦間のコミュニケーションにおいて、夫は妻を無視・回避する傾向が強いことが明らかになっていて、男性にとって精神的に深く、強くぶつかり合うことは、できれば免れたいという事態であると言えるでしょう。そのため、親密さゆえの共感という体験は女性に比べ少ないと言えるのではないでしょうか。

ここまでは、男女の違いで話しを進めていますが、社会的に望ましい男性・女性のイメージ像をもとにした男性性と女性性という指標で調査をすると、男性は男性性が高く、女性は女性性が高い傾向があります。また、男女に関わらず、この男性性、女性性の高い低いには個人差があります。

これらのことから、男女に関わらず、女性性が高い人が自己の根底を揺るがすような脅威に見舞われた時には、それまで生きることに対する葛藤を多く体験していることから困難な状況を受け入れやすく、また、共感性が高いために自らの命を絶つことで家族や近親者に与える精神的ショックやその後の生活への配慮まで想像を及ばせることが可能なのではないかと思います。一方の男性性が高い人は、脅威に見舞われた時、精神的に他者に頼ることが困難であると言えます。また、葛藤に対する耐性が少なく、共感性が低いために他者に対する配慮より自分に降りかかった困難を回避することばかりを考えてしまうのではないでしょうか。そして、その回避方法がどうしても見つからない時、自殺を選択してしまうケースがあるのではないでしょうか。これらのことから、男性は男性性が高いという傾向から、男性の自殺率の高さは、男性性の高さに影響される側面があるのではないかと考えました。

いつか、テレビでシャンソン歌手の三輪明宏さんが「自殺する人は無責任、自分のことしか考えられない馬鹿野朗だ!」と怒り心頭におっしゃっていました。その言いっぷりは少し過激すぎやしないかと思いましたが、大切な人を不慮に失った人の本当に愛情のこもった気持ちなのではないかと思います。強風

辛さは人それぞれですし、ポリシーも違います。でも、自殺までいかないにしても、辛い悩みを一人で抱えて苦しむ姿も近親者にとっては見ていられないことです。悲しい

自分の弱さや過ちをさらけ出せる勇気、人に甘えられる潔さも必要な生きる力なのではないでしょうか。そしてそれは、他者との親密な付き合いを通じて、相手のことを自分のことのように思える共感性を身に付けることで得られる力なのではないかと私は考えます。グッド
| muu | - | 18:36 | comments(2) | trackbacks(0) |
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テーマに直接ではないですが、関連している話をさせてください。

柏市民ネットのメンバーに軽度の鬱病の青年がいまして、彼のサイトから鬱病関連の掲示板に出入りしていました。もう7,8年前のことです。

壮絶でした。
こんなにも死に近い世界があったのか、と思うほどに健常者にとっても不安で危険な世界でした。

一言で言えば、鬱病は死に至る病で、即刻医療機関で治療しなければいけない難病です。診療、投薬期間でさえも、常に患者は死の誘惑にさらされていますし、特に回復間際が最も危険だとされています。

鬱病にかかるキャラクターは、
「真面目、融通が利かない、ユーモアが少ない」
などと言われますが、彼らが真面目で真剣なのはよくわかりました。
どんな話でも真剣に聞いてくれ、対話してくれるのがすごく魅力的だったのです。
自分たちを笑い話にしてしまうユーモアのあるキャラクターもたくさんいました。

それだけに、突然掲示板が閉鎖され、主催者が「自殺した」という噂が流れたりするのがショックでした。自殺未遂は日常茶飯、薬の過剰摂取、入院、引きこもり、寝たきりが普通の生活、という状態でした。

鬱病で男女の差があるか、と言われるとよくわかりません。
ネットに出入りしている数からすれば男性が多いのは確かですが、当時はまだインターネットに女性は少なかったから、比較できません。
印象としては、

女性=軽度、書き込み多し、他罰的

男性=重度、大多数は無口、自罰的

という趣がありました。
深刻に自殺願望、不眠、薬物依存、厭世観に悩んでいたのは男性の方でした。
はっきり言えば、女性は単なる我がまま病ではないか、と思うことが多かったです。

自殺と鬱病はメダルの裏表くらいに近い関係ですので、このへんの事情も調査するとより有意義なデータが得られるかもしれません。
| かも | 2007/09/19 10:33 PM |

かもさま

ありがとうございます。
今回は、ジェンダーの視点で自殺について考えて書きましたからうつ病のことには触れませんでした。おっしゃるとおり、自殺と鬱は切り離せない関係といわれていますね。臨床のことは詳しくないですが、女性は男性に比べ、思春期以降うつ状態に陥る率が高いそうです。うつ病自体、女性に多い病で、男性のうつは、中年期前後から増え始めると読んだことがあります。
そういうことから、また考えて見ます。
| ねこのむう | 2007/09/20 12:12 PM |










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